抗がん剤ってどうやって作るの?危なくないの?

病院薬剤師

こんにちは^^

いつもアルココブログを御覧いただきありがとうございます。

病院薬剤師のいる日常シリーズの3回目です。

2回目の記事は「点滴って、薬剤師が準備してるの?」だったので、

その流れに沿って、今回は「抗がん剤」の話にしたいと思います^^

抗がん剤とは、名前の通りがんに抗う薬ですね。

今や日本人の2人に1人が「がん」で亡くなるという状況で

残念ですが「がん」という病気が身近なものになってしまっています。

と言いながらも、

・「がん」についてしっかりとした知識が無い

・治療方法に民間療法を選んでしまう

など患者さんの声や選択があるのも事実です。

今回は「がん」そのものの話から、治療の話、薬剤師の関わりをお伝えします。

ではやっていきましょう!

「がん」そのものの説明。

「がん」とは、体の中で「本来止まるはずの細胞増殖が止まらなくなった状態」です。

放っておくと、周囲の臓器を壊したり、血液やリンパに乗って体中に広がったりします。

そもそも私たちの体は、とてつもない数の細胞でできています。

これらの細胞は日々分裂を繰り返すことで新しい細胞に入れ替わり、

体の状態を保っています

ちなみにこの細胞分裂には厳密な制御がかかっており、

必要なときに、必要な数だけ、きちんと作られるようになっています。

先程の「がん」の場合何らかの原因でこの仕組みが壊れ、

細胞が制御不能に分裂を続ける状態になっているため

「本来止まるはずの細胞増殖が止まらなくなった状態」になっています。

このように増えたがん細胞は、やがて周囲の正常な細胞を圧迫したり

血流に乗って全身に広がることもあります(=転移)。

アルココくん
アルココくん

珍しく医療系のブログ記事書くやん

作者
作者

一応「医療系」なんやで^^;

以上、簡単にしかお伝えしていませんが

ある程度がんについて理解いただけたと思います。

このがんは日本人の死因で最も多く、統計でもその事実が明らかになっています。

この記事を読んでるあなたも、「がん」になる可能性があるこの時代で

「がん」に打ち勝つには、早期発見・早期治療がとても大切です。

街の検診、職場の検診は積極的に受診して、行くことをおすすめします。

さて、本題に入っていきますが

この「がん」に薬剤師はどのように関わっているのか

次のブロックから少しお話していきたいと思います。

3つのがん治療方法

がんの治療には大きく3つの方法があります。

外科医
外科医

手術でがん細胞や、周囲の細胞を取り除く方法

薬剤
薬剤

抗がん剤を使用した薬物療法

放射線技師
放射線技師

放射線を照射する方法

などに分けられこれらを組み合わせて最適な治療を模索します。

「がんの種類」によって治療方法や順番は様々です。

基本的には手術で取れる細胞は、取ってしまったほうが良いとされます。

それに併せて、抗がん剤を手術前・後のどちらで投与すると成績が良いかデータが出ています。

この「抗がん剤」に我々薬剤師は大きく関わっているのです。

ここからは、薬剤師の関わる抗がん剤について簡単に触れていきます。

抗がん剤そのものの説明

抗がん剤と聞いて皆さんはどのようなイメージですか??

おばさま
おばさま

吐気がひどくて、髪が抜ける。。

副作用が怖い薬だわ。

おにいさん
おにいさん

ドラマできつい描写になってるよな。。

作者
作者

ドラマやマンガなどで見られる、抗がん剤の副作用は、過剰な描写をしているものもあります。

皆さんの、抗がん剤に対するイメージは上記のような感じでは無いでしょうか。

実際に抗がん剤はがん細胞を攻撃する薬で、取り扱いに気をつける必要があります。

そのため従来の抗がん剤は、同時に正常な細胞にも影響を与えることがあり、

副作用が出やすい薬でもあります。

よく出る副作用としては

・気持ち悪い、ムカムカする、吐く

・脱毛(何度か抗がん剤を使った場合に出やすい)

 ▶髪の毛に限らず眉毛、まつげ、陰毛なども影響が出る方もいます。

・免疫が低下し、感染症にかかりやすくなる

という物が出やすいとされます。

それぞれ「吐き気止め」を使ったり「免疫に関わる細胞を元気にする薬」を使っていきます。

脱毛に関しては薬がないので、必要な時ウイッグ等を使用することになります。

ただ抗がん剤治療が終了し時間が経過すれば、改善が見られます。

いっときの間我慢が必要になるかもしれません。

近年は「遺伝子」「免疫」などと言うキーワードから

従来の抗がん剤に見られた、吐気や脱毛といった副作用が出にくくなってきています。

作者
作者

その代わり、新しい副作用があるのは事実です。

アルココくん
アルココくん

今回の記事なんだか、難しいね。

作者
作者

丁寧に説明します!!

抗がん剤に対する薬剤師の関わり

先程述べたように、取り扱い注意の薬剤であるため

しっかりとした取り扱いが必要です。

薬剤師はこの抗がん剤に対しても「調剤」「監査」という点で関わっています。

アルココくん
アルココくん

結局調剤、監査なんや

作者
作者

我々の大事な仕事ですから!残念!

アルココくん
アルココくん

・・・・切り!

作者
作者

・・・^^;

調整時の関わり

レジメンの確認について説明します。

アルココくん
アルココくん

レジメンってなんやねん!

作者
作者

説明します。

まずは医師が「レジメン」と呼ばれる、

抗がん剤や輸液、支持療法(吐き気止めなど)を組み合わせた

治療計画書を使用してオーダーします。

薬剤部にそのデータが飛んでくると

私たち薬剤師は、

患者さんの腎機能や肝機能、体格などからこの投与量で問題ないかを考えながら

医師のオーダーを確認します。

その際に必要に応じて投与量の見直しや変更提案を行うことがあります。

その他に併用している薬を確認したり

さまざまな要因を踏まえて、「本当にこの内容で安全に投与できるか?」を判断します。

抗がん剤の調整について説明します。

オーダーが問題ないとなった場合、次にそれを調剤します。

多くの抗がん剤は、注射薬の形でバイアル(ガラス瓶)に入っており

必要に応じて希釈したり混ぜたりする調製作業が必要なのです。

この調製を担当するのが、私たち病院薬剤師です。

アルココくん
アルココくん

急に出てきてびっくりしたよ。。

作者
作者

ごめんごめん。。

抗がん剤は上の写真のような格好をして

大げさな装置を使って調整します。

このような大袈裟な「格好」「装置」を使う理由としては

抗がん剤の調製を「無菌」で行う必要があるからです。

これらの部屋を「無菌調整室」といいます。

僕らが大袈裟な「格好」をするのは

患者さんにとって安全であることはもちろんですが、薬剤師自身の健康を守るためです。

抗がん剤の一部には、吸い込んだり皮膚に触れたりすると人体に悪影響を与えるものもあります。

また調整する際には

薬剤師同士で、溶解方法が問題ないか、混注する薬液量は問題ないか等を

ダブルチェックして、記録を残しています。

このような沢山の人の関わりがあって病棟へ払い出されます。

作者
作者

なんとなくイメージできた?

アルココくん
アルココくん

まとめると、こんな大袈裟な装置で調整する理由は?

作者
作者

菌が入らないようにするのと、その他の人に暴露しないようにするためです。

アルココくん
アルココくん

今回はしっかり回答してくれるね^^;

病棟での関わりについて説明します。

このような段取りを踏んで病棟や外来に払い出された抗がん剤は

看護師さんの手によって患者さんに投与されます。

調整の段階でお話しましたが

患者さん以外に抗がん剤が影響することを防止するため

看護師さんも

ココまで大袈裟ではないですが、近しい格好をします^^

薬剤師は病棟で、

・患者さんへの抗がん剤の説明(特に副作用)

・抗がん剤を投与中の患者さんの副作用やアレルギー発現の有無を確認

・看護師さんからの相談(副作用、投与経路 等)

等など多岐にわたり関わっています。

また、今回の投与経験を元に

次回の投与設計に向けて医師に情報を提供し、薬の種類や量を調整したり

副作用に対して新たな薬を提案したりもあります。

このようなやりとりを通して、患者さんにとって最善の治療を目指していく。

それが私たちの仕事です。

抗がん剤は、「治療の柱」であると同時に、「慎重な取り扱いが必要な薬」でもあります。

そしてその背景には、安全に、確実に、患者さんのもとに届けるための仕組みと人の支えがあります。

薬剤師の仕事は、あまり目立つことはありません。

でも、「薬を渡すだけ」ではなく、見えないところで、確かな責任と技術で医療を支えているのです。

今回のまとめ

いかがだったでしょうか。

ざっとでも良いので、薬剤師がどのように抗がん剤に関わっているか

わかっていただけたら嬉しいです^^

ご質問はコメントまで^^

では、また。

※今回記載した内容は作者の経験則に基づく内容になっています。

実際の治療とはかけ離れる部分がある場合があります。

ご自身の治療に関しては医師、薬剤師、看護師などから正確に説明を受けることをおすすめいたします。

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