薬学部実習生の教育について
こんばんわ
いつもアルココ(薬剤師)のブログをご覧いただきありがとうございます。
アクセスが順調に伸びており、嬉しいのと同時に
なにかお役に立てているのか不安もありますが、引き続きよろしくおねがいします
今日の内容ですが
ちょうど先日4期の実習が終了になりました。
その話をしようかなと思います。
こちらもどうぞ↓
当院の実習システム
大学から「病棟での実習」の時間を多くとってほしいと言われています。
決して調剤室軽視ではないと思うのですが、そのような指示があるわけです。
実習人数も多いことから、1病棟2週間固定で2病棟までと設定し
病棟選択はある程度希望を聞きますが、基本的にはこちらが与えた病棟に行ってもらいます。
そのへんを決めているのは大学院の先生方なので、
病棟に来た学生を一生懸命指導する、がわたしら末端の仕事です。
症例を見つける
病棟実習の中で、担当症例を2つから3つ持ってもらうことにしています。
どういう症例でも良いのですが
うちの病棟のように、○疾患に対して○手術を施行した症例、ではまとめるのが難しいんですよね。
それよりは、○がんに対して○+○療法施行し、副作用フォローをした症例
とかのほうがまとめやすいし、介入ポイントもいっぱいあるんです、薬学的には。
ですが、わたしはちょっと意地悪なので
最初に述べた○疾患に対して○手術した症例を持ってもらったわけです。
もちろん狙いは伝えた上でですが。
どんな症例?
この症例は膀胱癌に対して、NAC②コース施行後、膀胱全摘、回腸導管造設術を行った方です。
NAC施行中は実習期間では無かったので、手術のため入院したところから持ってもらいました。
まずは術後の痛みや、感染徴候がないかなどを見てもらうことと
バイタルサインを見てもらうように伝えました。
できれば測定も、と思ったのですが
一応コロナウイルスがのことを鑑みカルテ確認をしてもらいましたが
そのかわり、看護師さんが患者のバイタルを測定する時に同席させてもらって
実際に見てもらいました。
バイタルの基準からずれている理由を自分なりに考えてもらい
わたしとディスカッションしました。
そんなこんなで、薬学の本質とは若干ずれた症例だったのですが、非常によく勉強してくれました。
回腸導管のため退院後の生活にも気を配ってくれて
入院中の情報を薬局の先生にも伝えたほうが良いですかね?って言ってくれて
おじさんは本当に嬉しかったです(語彙力)
何が言いたいのか?
結局〇〇をやりました。っていう報告はそこまで重要じゃないんですよね。
わたしがこの症例をなぜ学生に持たせたかったかというと
医療はチームであり、薬のことだけ学んでいる薬剤師ではだめだと言うことです。
言葉では分かっているのですが、実際どうするのかということは分かっていないと思うんです。
自分がバイタルを取れないなら、どうすれば情報を集められるのか、だれと情報共有をすればよいのか
退院後の情報を共有する方法は?だれに?
というプライマリ・ケアにつながるような泌尿器科の症例でした。
入院中はほんの一時なので、その後の人生も考えられる学生を育てていきたいです。
次回2期までは時間が空きますので
ブラッシュアップしていきます。
若手の薬剤師にもこの体験をしてもらい、プライマリ・ケアに興味がなかったとしても
長期に渡ってフォローする必要性
多職種と情報共有する必要性を、偉そうに説いています。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
なにか参考になりましたら嬉しいです。
それではまた。