こんにちは^^
いつもアルココブログを御覧いただきありがとうございます。
前回から始まった新シリーズ「(病院)薬剤師がいる日常」の第1回になります。
今回はタイトルに有るように、病室に薬剤師が来たけどなんなん?🤔
という疑問に回答するための記事です。

きゃー!何しに来たのよ?

処方箋に書いてある薬だけ用意してるんだろ?

それも仕事の一つですが、病院では病棟に常駐して
患者さんの薬の管理を行う仕事も担っています。
ということで
入院したことがある方であれば、一度は病室に薬剤師が来たことあるのではないでしょうか?
医師でも看護師でもない我々薬剤師がどのような仕事をしているのか
参考になれば幸いです。
でははじめていきましょうー!
第0回はこちら↓
1.入院時に必ず行う「初回インタビュー」

コンコン(ノック音)
◯◯さん失礼しまーす。薬剤師の作者です。

え、薬を袋に詰める人でしょ? なんで病室に?

・・・・・・

えっ、そんなテンション?
入院したら、薬剤師が病室に伺って、
「初回インタビュー」を行います。
もしかすると施設によっては外来の待合室とか、入退院センターとか
病室以外で初回インタビューを行うこともあるかもしれませんが、目的は一緒です。
これは、あなたがどんな薬を普段から飲んでいるのか、アレルギーはないか、サプリは飲んでいるか
などを確認する大事な時間です。
このインタビューでは、例えばこんなことをお聞きします。
①今飲んでいる薬の名前と量
→正確な量を把握できないと入院中の処方が間違ってしまう可能性がある。
※基本的にはお薬手帳から確認しますが、医師から口頭で指示が出ていることもあるので、確認します。
②市販薬やサプリメントの使用状況
→サプリメントが他の薬に影響することで、薬の効き目に影響が出る(出ている)可能性を調査する
ためです。
③薬で過去に副作用が出たことがあるか、アレルギーがあるかの確認
→同じ薬剤を投与しないようにすることや、似た薬も避けたほうが良いので聞きます。

ふーん
番外編1 アレルギーと副作用の違い
とココで番外編に入ります 笑

え?

アレルギーと副作用の違いについて知っていますか?
患者さんでもこの違いについて知らない人もいると思います。

抗菌薬を飲んで下痢したわ。アレルギーよ!

これってアレルギーと言うよりは副作用??
アレルギーとは・・・
アレルギーは、体の免疫が「これは敵だ!」と過剰に反応してしまうことです。
薬に対して体がアレルギー反応を起こすと、
じんましん、かゆみ、呼吸困難、アナフィラキシーショックなど、重い症状が出ることがあります。
ごく少量でも反応が出ることがあるため、その薬は今後一切使えないことが多いです。
副作用とは・・・
薬が本来の目的以外の作用を引き起こすことです。
たとえば、風邪薬を飲んだら眠くなる、お腹がゆるくなる、というのは副作用です。
症状が軽ければ、様子を見たり、量を調整したりして使い続けられることもあります。

と言うことでおばさまの訴えは副作用かもしれませんね。
話をもとに戻しますね

俺今回は結構無視される??
④服薬に関する悩み(飲みづらい薬がある、飲み忘れやすい等)
→患者さんは、処方箋通りに薬を飲んでいるとは限りません。。
例えば眠剤は調節しているとか、下剤は排便状況を見て飲んでいるとか。。。
そのあたりの情報は入院中の服用に反映する必要があるので、正確に聞き取りを行います。
こうした①〜④の情報は、医師が処方を決めるうえでもとても重要です。
作者としては
薬剤ヒストリーを患者さんに聞くようにしています。

どうしてこの薬の内容になったか
主治医からどのような説明がありましたか?

そんなのわからないわよ。先生が出したんだもの!
基本的にこのような意見が大多数を締めますが
ご自身が飲んでいる薬は、ぜひ正確に把握していただきたいなと思っています。
以前私がポリファーマシーという薬を沢山飲んでいる方を対象にしたアンケート調査を行った時
「ご自身が飲んでいる薬の薬効(薬の効き目)や副作用を説明できますか?」
という問いに対して
薬効を答えられる方はある程度いましたが、
副作用となると答えられる方が限られました。
結果には様々な理由がありますが、
「ご自身の薬を把握できていない」という点も影響しているかなと思いました。
実はこれ、入院時の初回インタビューでもよく聞かれる質問なんです。
「今飲んでいる薬、どんな薬ですか?」
「何のために飲んでいて、どんな副作用があるか知っていますか?」
でも、この問いにスラスラ答えられる方は、そんなに多くありません。
それもそのはず。
薬の名前はカタカナばかりだし、副作用も人によって違うので覚えにくいんですよね。
でも、副作用を知っておくと、
自分の体に何かあったときに「もしかして薬のせい?」と気づく手がかりになります。
副作用とわからず、薬をずっと飲み続ける人もいます。
自己防衛です!そしてそのお役に立てるのが薬剤師なので
だからこそ、私たち薬剤師も、しつこく聞いちゃうんです 笑
というわけで、もしこれから入院予定がある方や、通院中の方がいれば…
ぜひご自身のお薬について「何の薬か?」「どんな注意があるか?」を、ざっくりでもいいので覚えておいてくださいね^^
あなたの安心と安全のために、とっても役立ちます!

続いては入院後、内服や注射を使い始めた後の評価のため訪問します。
2.お薬の「使い心地」や体調の変化をチェック
入院中、薬を飲んでいて「なんだか調子が悪いな…」と思ったことはありませんか?
たとえば、飲んだ後に胃がムカムカする、眠くなりすぎる など
薬剤師は、実際に病室で患者さんと直接話し、薬の効果や副作用について確認しています。
よくあるのは看護師さんから

◯◯さんなんけど、薬飲み始めたら調子悪いって言うから、見に行って

御衣
という感じで依頼をもらって訪問します。
中には、「この症状、薬のせいじゃないかも」と思って見過ごされがちな不調もあります。
是非一度看護師、薬剤師にご相談ください。

続いては飲み薬の回数や、飲み忘れがないか聞き取りに行きます。
3.飲み忘れや飲みにくさをサポート
薬は1日2回、3回と決まった時間に飲む必要があります。
入院中は看護師さんが管理してくれるので、何ら問題はないんですが
家に帰ると自分で薬を管理しないといけません
今1日3回飲んでいるその薬を、自分で管理するんですが、できますか??
大きい粒飲み込み辛そうですが、大丈夫ですか??
ということを聞きに行きます^^

自分で薬の管理なんてできない、不安。

安心して管理できるように医師と相談しますね^^
上記のような場合は
・薬を減らす(医師と相談)
・薬の用法(朝食後など)を統一する
・一包化(薬をまとめる)をする
などができればと思います。
何れにしても、薬の作り方を工夫するには患者さんの訴えが必要になります。
ぜひ上のおばさまのように

言いたいことも言えないこんな夜の中じゃ、ポ◯ズン

GTO!!
ぜひ、何でも良いので教えて下さいね^^
4.退院前に「これからの薬の使い方」を説明
先程の飲み方とも関係してきますが
退院後にどのような生活をしていくか、薬を飲んでいくか
外来通院後はどのようにして薬をもらうのかなどを説明しに行きます。
また、いつもおかかりの保険薬局(調剤薬局)の薬剤師を連絡を取って
入院中の経過をお伝えすることもあります。
その理由としては、、、
- 入院中に追加、終了した薬の理由。
- 副作用やアレルギーが起こった場合に再投与に注意してもらう。
- 入院中に薬や管理で困ったこと。
などを事前に共有しておくことで
処方箋を持っていったときに確認してもらうことができると思います。

退院後も薬を安心して管理できるように情報共有が欠かせません

おくすりの情報を共有しますね^^
あなたの体調やお薬のことを、病院と薬局が一緒に見守っていく、そんな仕組みです。
番外編2 実際の情報共有
作者が今まで実施兄情報共有した中では
・今後も一包化(薬を一つにまとめること)をしてほしい
・入院中に始まった吸入薬(喘息などに使用する薬)の経過を見てほしい
・◯◯という薬はアレルギーの疑いで中止になったので、次回処方が出たら確認してほしい。
などです。

患者さんにも喜んでもらえるので、情報共有は継続したいと思います。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか
袋詰師と揶揄される薬剤師ですが^^
患者さんの安全な薬物療法に一役を買っていると自負しています。
病室に来る薬剤師は、ただ薬を配るだけの存在ではありません。
あなたが入院中、そして退院後も安心して薬を使い続けられるように、そっと寄り添う専門家です。
「こんなことで相談していいのかな?」と思わず、
「医師に良い辛いこと」や「薬のこと」「体調のこと」なんでも話してみてください。
きっと、あなたの不安を軽くしてくれる存在になってくれるはずです。
あなたは、自分の薬の名前や副作用、説明できますか?
コメント欄やSNSで、気づきや体験をシェアしていただけるとうれしいです^^
ではまた次回^^
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